クラウドIVR (音声自動応答) VoiceGear

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カスタマージャーニーを進化させる「IVR×生成AIのパーソナライゼーション」

カスタマージャーニーを進化させる「IVR×生成AIのパーソナライゼーション」

「申し訳ございませんが、もう一度最初からお願いします…」

こんな経験はありませんか?企業に電話をかけ、音声ガイダンスに従って何度もボタンを押していくものの、結局自分の求める選択肢にたどり着けず、イライラが募るばかり。さらには、やっとの思いで担当者に繋がったと思えば、これまでの状況を一から説明し直さなければならない…。

 

従来の音声自動応答(IVR:Interactive Voice Response)は、確かに企業側の業務効率化には貢献してきました。しかし、顧客側からすれば、必ずしも使い勝手の良いものではありませんでした。画一的なメニュー構成、融通の利かない応答フロー、そして何より「機械的」な対応は、時として顧客の不満を増幅させる要因となっていたのです。

 

しかし、そんな状況が大きく変わろうとしています。

生成AI(Generative AI)の登場により、IVRは「賢く、優しく、そして一人ひとりに寄り添う」存在へと進化を遂げようとしているのです。今回は、生成AIによって実現する新しいカスタマージャーニーの姿と、その可能性について考えていきましょう。

 

■パーソナライゼーションがもたらす革新

「お久しぶりです、田中様。前回は12月14日に追加のご注文をいただきましたが、今回も追加のご注文でよろしいでしょうか?それとも、他のご用件でしょうか?」

 

生成AI搭載の次世代IVRは、このように顧客一人ひとりの文脈を理解した対応が可能です。これは単なるSF的な未来像ではありません。このような高度にパーソナライズ化された顧客対応は既に実現で可能な段階にきています。

 

その仕組みは、大きく分けて3つの要素で構成されています。

・1つ目は、「コンテキストの理解」です。
顧客の過去の問い合わせ履歴、購買パターン、サービス利用状況などのデータを総合的に分析し、その顧客が今、何を求めているのかを予測します。例えば、最近プリンターを購入した顧客からの問い合わせであれば、プリンターに関連する質問である可能性が高いと推測できます。

 

・2つ目は、「チャネル連携」です。
電話での問い合わせ内容を、メール、チャット、アプリなど他のチャネルでの顧客とのやり取り履歴と統合して分析します。例えば、顧客がアプリで製品マニュアルを閲覧した後に電話をかけてきた場合、その文脈を理解した上で適切な案内ができます。また、必要に応じて他のチャネルへのスムーズな誘導も可能になり、顧客にとって最適な解決方法を提供できます。

 

・3つ目は、「動的なシナリオ生成」です。
従来のIVRのような固定的なシナリオではなく、顧客との対話の流れに応じて最適な応対シナリオをリアルタイムで生成します。これにより、顧客の意図をより正確に理解し、的確なソリューションを提供できるようになります。

 

■期待される導入効果

生成AI搭載IVRの導入により、いくつかの重要な改善が期待できます。

 

まず、顧客対応の質の向上です。顧客の状況を適切に理解し、的確な解決策を提示できるようになることで、初回での解決率を高めることができます。また、顧客情報の事前把握により、不要な確認作業を削減し、応対時間の効率化も見込めます。

 

特に注目すべきは、パーソナライズされた対応による顧客体験の向上です。画一的な応対から、個々の顧客に寄り添った対応へと変化することで、顧客満足度の改善が期待できます。

 

さらに、各種チャネルとの連携により、より適切な情報提供や案内が可能になります。例えば、顧客がWebサイトで特定の情報を閲覧した後に問い合わせてきた場合、その文脈を踏まえた対応ができ、より効率的な問題解決につながります。このような包括的なアプローチにより、カスタマージャーニー全体の最適化が実現できます。

 

■課題と対策

もちろん、このようなシステムの導入には、いくつかの重要な課題があります。

 

最も重要なのは、プライバシーとセキュリティの確保です。個人情報の取り扱いには細心の注意が必要で、収集するデータの範囲、利用目的、保管方法などについて、明確なポリシーの策定が求められます。また、顧客の同意取得プロセスも適切に設計する必要があります。

 

次に、生成AIの判断の質の担保です。いくら高度な技術とはいえ、AIの判断が常に最適とは限りません。このため、人的対応へのスムーズなエスカレーションの仕組みや、AIの判断プロセスを監視する体制の整備が重要です。

 

さらに、導入・運用コストの問題もあります。高度なAIシステムの導入には相応の投資が必要で、その投資対効果(ROI)を適切に見極める必要があります。

 

■今後の展望

生成AI技術を活用したIVRの進化は、カスタマーサービスの在り方を大きく変えようとしています。技術の発展により、より自然な対話が可能になり、顧客一人ひとりのニーズに合わせたパーソナライズされた対応が実現します。

 

また、蓄積された会話データは、新たなビジネスインサイトの源泉となります。顧客の声を構造化データとして分析することで、製品開発やサービス改善、さらには新規事業開発にも活用できるようになります。

 

■おわりに

カスタマージャーニーの進化は、もはや選択肢ではなく、必須の経営課題となっています。「顧客中心主義」が叫ばれて久しいものの、その実現は必ずしも容易ではありませんでした。しかし、生成AI技術の進展により、ついにその実現への具体的な道筋が見えてきました。

 

重要なのは、この技術を単なる業務効率化のツールとしてではなく、真の顧客理解と価値提供を実現するための戦略的な投資として捉えることです。パーソナライゼーションは、一人ひとりの顧客に寄り添い、その期待を超える体験を提供することで、持続的な競争優位性を構築する鍵となるはずです。

 

そして、その先には、より人間的で、温かみのある顧客とのコミュニケーションの実現が待っているのではないでしょうか。

 


セプテットでは、クラウド型IVR VoiceGearを提供しています。

生成AI×IVRのソリューションもご提案、構築が可能です。

ご興味がございましたら、是非お気軽にお問い合わせください。

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